2009年12月14日
『沈まぬ太陽』読みました。すごかった。。。
今話題の、山崎豊子氏の『沈まぬ太陽』をようやく読み終わりました。
ひとことで、
『すごかった!』
です。
本当にそんなことが実際にあるものだろうか、まさか、という思いを抱きつつも、
でも、本当にあったことかもしれない。。。と思わせる迫真の内容でした。
しかも、御巣鷹山事故の描写にいたっては、すさまじいの一言です。
現実に実際にあった事故ですし、
被害者の一部の方々は(ご同意を得たうえでのことだそうですが)実名で描かれていて、とても現実感があります。
(御巣鷹山事故に関してはほとんどノンフィクションのようです。)
それらが描かれている『御巣鷹山篇』は涙なくしては読めません。
そして、その後にくる『会長室篇』での政治とお金の流れやその利権を貪る人々の描かれ方が、
更に現実的でリアルでした。
その詐欺まがいな利権の貪り方は、あまりにも複雑で、
経済の知識のない私は説明のくだりを何度も読み直さなければ理解できないほど。
登場人物の名前が、当時の政治家さんたちの名前と微妙にオーバーラップする響きがあり、
詐欺まがいの流用着服が本当にあったことなのかも、と思わせられました。
山崎豊子氏の小説は他にもいろいろ読みましたが、
この本はどれよりもインパクトが強かったです。
実は、山崎豊子氏の小説の主人公は最後に自殺して終わることが時々あるので、
今回も心配していたんです。
先に読んだ友人から、今回は自殺しない、と聞いていたので、
安心して読んでいたのですが、
結果としては主人公の自殺はありませんでしたが、あまり読後感はよくないです。
ネタバレになりますが、
最後のところで、
主人公のもと友人で、後に出世欲にかられて嫌みな人物になっていく行天という人が、
それまでの悪業が東京地検特捜部にばれて
連行(?)されていきます。
しかしそれで一蓮托生ですべての悪者が司法の裁きをうけるわけではないように思います。
結局、とかげのしっぽをきるように、
どんどん同じような人がでてきて、
何かあれば切られてしまうのでしょう。
黒幕は常に安全な場所にいて。。。
(最後はあいまいな終わり方でした。)
優秀で正義感あふれる主人公も、結局最後まで不遇なまま、報われないままで物語は終わります。
医学界を描いた同氏の『白い巨塔』も以前読んだことがあります。
医師の一人として多少内部実情を知る私としては、
ノンフィクションではありながら、これは実際にあり得る話だろうなあ、
と思いました。
ということは、
今回の『沈まぬ太陽』のモデルとなった日本航空内部も、
小説で描かれたことの一部は現実に近いことなのでは、
と思わせられました。
とにかくすごいので、みんなにめっちゃおすすめしたい一冊です。
(以上が表向きの読後感想。以下、ちょっとだけ、超個人的な些末な感想です。)
まず。
息子のごま太郎にはサラリーマンになって欲しいと思っていましたが、サラリーマンって大変だと思い知らされました。
とても彼には勤まらない。。。
それから主人公の妻がすばらしくよくできた良妻賢母なのですが、我が身を振り返って、うーむ、心を入れ替えねば、としみじみ思いました。ご主人が仕事に没頭できるのも、しっかり家を守り子供達をきちんと育てる妻がいるおかげ。そんな妻になりたいけど、ほど遠いわあ。。。激しく反省。
ひとことで、
『すごかった!』
です。
本当にそんなことが実際にあるものだろうか、まさか、という思いを抱きつつも、
でも、本当にあったことかもしれない。。。と思わせる迫真の内容でした。
しかも、御巣鷹山事故の描写にいたっては、すさまじいの一言です。
現実に実際にあった事故ですし、
被害者の一部の方々は(ご同意を得たうえでのことだそうですが)実名で描かれていて、とても現実感があります。
(御巣鷹山事故に関してはほとんどノンフィクションのようです。)
それらが描かれている『御巣鷹山篇』は涙なくしては読めません。
そして、その後にくる『会長室篇』での政治とお金の流れやその利権を貪る人々の描かれ方が、
更に現実的でリアルでした。
その詐欺まがいな利権の貪り方は、あまりにも複雑で、
経済の知識のない私は説明のくだりを何度も読み直さなければ理解できないほど。
登場人物の名前が、当時の政治家さんたちの名前と微妙にオーバーラップする響きがあり、
詐欺まがいの流用着服が本当にあったことなのかも、と思わせられました。
山崎豊子氏の小説は他にもいろいろ読みましたが、
この本はどれよりもインパクトが強かったです。
実は、山崎豊子氏の小説の主人公は最後に自殺して終わることが時々あるので、
今回も心配していたんです。
先に読んだ友人から、今回は自殺しない、と聞いていたので、
安心して読んでいたのですが、
結果としては主人公の自殺はありませんでしたが、あまり読後感はよくないです。
ネタバレになりますが、
最後のところで、
主人公のもと友人で、後に出世欲にかられて嫌みな人物になっていく行天という人が、
それまでの悪業が東京地検特捜部にばれて
連行(?)されていきます。
しかしそれで一蓮托生ですべての悪者が司法の裁きをうけるわけではないように思います。
結局、とかげのしっぽをきるように、
どんどん同じような人がでてきて、
何かあれば切られてしまうのでしょう。
黒幕は常に安全な場所にいて。。。
(最後はあいまいな終わり方でした。)
優秀で正義感あふれる主人公も、結局最後まで不遇なまま、報われないままで物語は終わります。
医学界を描いた同氏の『白い巨塔』も以前読んだことがあります。
医師の一人として多少内部実情を知る私としては、
ノンフィクションではありながら、これは実際にあり得る話だろうなあ、
と思いました。
ということは、
今回の『沈まぬ太陽』のモデルとなった日本航空内部も、
小説で描かれたことの一部は現実に近いことなのでは、
と思わせられました。
とにかくすごいので、みんなにめっちゃおすすめしたい一冊です。
(以上が表向きの読後感想。以下、ちょっとだけ、超個人的な些末な感想です。)
まず。
息子のごま太郎にはサラリーマンになって欲しいと思っていましたが、サラリーマンって大変だと思い知らされました。
とても彼には勤まらない。。。
それから主人公の妻がすばらしくよくできた良妻賢母なのですが、我が身を振り返って、うーむ、心を入れ替えねば、としみじみ思いました。ご主人が仕事に没頭できるのも、しっかり家を守り子供達をきちんと育てる妻がいるおかげ。そんな妻になりたいけど、ほど遠いわあ。。。激しく反省。
Posted by tomagoma at 00:03│Comments(0)
│こんなことあんなこと思ったよ