2010年02月17日
子宮頸癌予防ワクチンについて
子宮頸癌予防のためのワクチンに、ようやく厚生労働省の認可がおり発売に至りましたね。
新しい概念のワクチンですので、
産婦人科医である私自身もこのワクチンについて正しく理解できているか不安に思っていました。
医師会や産婦人科学会等の発行する冊子を読んだり専門家の講演をききに行ったり。。。
ようやく理解できたような気がするので、紹介します。
といっても、話が難しくならないように、簡単に、簡単に。。。。
まずは、
癌という病気がなぜ発生するか、から。
いろいろな理由がありますが、
とっても大雑把な言い方をすると、
体の中のある部分の増殖が止まらなくなってできる『できもの』が『癌』です。
なぜ増殖が止まらなくなるかの理由はいろいろありますが、
子宮頸癌の場合は、ある特定のウイルスの感染が持続した場合におこります。
ある特定のウイルスとは、
ヒトパピローマウイルス(Human Papilloma virus:HPV)です。
ヒトパピローマウイルスにはたくさんの型があるのですが、
特に、16型と18型は癌化のリスクの高いウイルスと言われています。
(他にも癌化しやすい型はありますが、日本人の子宮頸癌の多くがこれらの型のウイルスの感染によるものと言われています。)
このウイルスに感染する経路はセックスなのですが、
ここで必ず知っておいてほしいのが、
このウイルスはなにも特別なウイルスではないということです。
つまり、
セックスをしたことのある女性の誰もが
感染する可能性がある、ということです。
(なんと全女性の70〜80%が、一度はヒトパピローマウイルスに感染したことがあるのだそうです。)
感染してもほとんどの人は自然に治るので、
持続的にウイルスに感染した状態になってしまう人は10%ほど。
この段階で、現行の子宮頸癌健診でひっかかることがあります。
いわゆるがん検診の擬陽性(専門的な言葉でいうと異形成)です。
持続感染してしまっても、その後免疫機構が働いて自然治癒することも多いですので、
擬陽性と言われて頻回な検診を続けるうちに
異常な細胞が検出されなくなった経験を持つかたもいらっしゃると思います。
ただ、中には、感染が続いて異形成が高度になってしまい、その後癌へと進行してしまう場合もあります。
特にその悪性化のスピードが早いといわれているのが、
16型と18型です。
最近増えている若い世代の子宮癌の多くがこの型で、20代の子宮癌の90%はこの型が原因と言われています。
さて、
免疫機構が働いて自然治癒することがある、
と書きました。
ご存知のように、免疫とは、体が自然に持つ、ウイルスや細菌から体を防御してウイルスを排除しようとする力です。
しかし、このヒトパピローマウイルスは、自然な免疫機構が働きづらいところが問題なんです。
子宮頸部の表面の細胞だけに感染するという特徴があるので、
その奥にある免疫に関与する細胞とは接触しづらいからなんです。
そこで、ワクチンの登場です。
ワクチンによってこのウイルスに対する免疫を獲得すれば持続感染がおこりづらいからです。
特にウイルスに接触する前、つまり、初体験の前にワクチンを接種すれば、
このタイプ(16型、18型)のヒトパピローマウイルスは100%排除することができる、
と言われています。
ですから、
初体験前の、10代前半が対象年齢です。
20代の女性も、接種が勧められる年代です。
諸外国では、11〜12才を公費優先接種の対象としているところが多いそうです。
日本では残念ながら、公費ではありません。
希望接種でだいたい3〜5万円かかります。(びっくり!
)
日本の中でも、
杉並区や名古屋市のように市町村単位で公費負担で小学生や中学生女子に接種しているところもあるようです。
(残念ながら大阪ではまだのようです。2010年2月現在)
ただし、他のタイプによって発生する癌は予防できませんから、現行の子宮がん検診も組み合わせて癌を予防していくことになります。
それから、すでに癌化した細胞に対する癌の治療効果はありません。
男性は今のところ、予防接種をしても全体に対する効果がないので接種対象にはなっていません。
考えてみたら、
現行の子宮がん検診というのは、
前癌状態で検出して、定期検診を頻繁に行って癌になったらすぐに切りましょう、というスタンス。
それって、悪くなるのを待たないと治療もできない、ということ。
癌にならずに治る人もいるためなんですが、なんだか、変な治療方針ですよね。
日本人は、国民皆保険の制度が充実しているために、
診断名がつけば保険がきくので病気の治療にはあまり抵抗感がありませんが、
予防のための医療には個人負担のお金が非常にかかることもあって、
予防医学に対する知識や意識がうすい傾向にあるそうです。
病気や特に癌が予防できればその方がいいにきまっていますよね。
思春期の女の子に、
『初めてセックスする前に、子宮がんの予防のために予防接種をうちましょう』
と、説明することは難しい、という批判もあるようですが、
すでに接種が開始されている地域では、
『将来赤ちゃんを産むときのために』
『自分を大切にするために』
という説明などで、結構すんなり受け入れられているようです。
参考資料(日本産婦人科学会・日本小児科学会・日本婦人科腫瘍学会)はコチラ
新しい概念のワクチンですので、
産婦人科医である私自身もこのワクチンについて正しく理解できているか不安に思っていました。
医師会や産婦人科学会等の発行する冊子を読んだり専門家の講演をききに行ったり。。。
ようやく理解できたような気がするので、紹介します。
といっても、話が難しくならないように、簡単に、簡単に。。。。
まずは、
癌という病気がなぜ発生するか、から。
いろいろな理由がありますが、
とっても大雑把な言い方をすると、
体の中のある部分の増殖が止まらなくなってできる『できもの』が『癌』です。
なぜ増殖が止まらなくなるかの理由はいろいろありますが、
子宮頸癌の場合は、ある特定のウイルスの感染が持続した場合におこります。
ある特定のウイルスとは、
ヒトパピローマウイルス(Human Papilloma virus:HPV)です。
ヒトパピローマウイルスにはたくさんの型があるのですが、
特に、16型と18型は癌化のリスクの高いウイルスと言われています。
(他にも癌化しやすい型はありますが、日本人の子宮頸癌の多くがこれらの型のウイルスの感染によるものと言われています。)
このウイルスに感染する経路はセックスなのですが、
ここで必ず知っておいてほしいのが、
このウイルスはなにも特別なウイルスではないということです。
つまり、
セックスをしたことのある女性の誰もが
感染する可能性がある、ということです。
(なんと全女性の70〜80%が、一度はヒトパピローマウイルスに感染したことがあるのだそうです。)
感染してもほとんどの人は自然に治るので、
持続的にウイルスに感染した状態になってしまう人は10%ほど。
この段階で、現行の子宮頸癌健診でひっかかることがあります。
いわゆるがん検診の擬陽性(専門的な言葉でいうと異形成)です。
持続感染してしまっても、その後免疫機構が働いて自然治癒することも多いですので、
擬陽性と言われて頻回な検診を続けるうちに
異常な細胞が検出されなくなった経験を持つかたもいらっしゃると思います。
ただ、中には、感染が続いて異形成が高度になってしまい、その後癌へと進行してしまう場合もあります。
特にその悪性化のスピードが早いといわれているのが、
16型と18型です。
最近増えている若い世代の子宮癌の多くがこの型で、20代の子宮癌の90%はこの型が原因と言われています。
さて、
免疫機構が働いて自然治癒することがある、
と書きました。
ご存知のように、免疫とは、体が自然に持つ、ウイルスや細菌から体を防御してウイルスを排除しようとする力です。
しかし、このヒトパピローマウイルスは、自然な免疫機構が働きづらいところが問題なんです。
子宮頸部の表面の細胞だけに感染するという特徴があるので、
その奥にある免疫に関与する細胞とは接触しづらいからなんです。
そこで、ワクチンの登場です。
ワクチンによってこのウイルスに対する免疫を獲得すれば持続感染がおこりづらいからです。
特にウイルスに接触する前、つまり、初体験の前にワクチンを接種すれば、
このタイプ(16型、18型)のヒトパピローマウイルスは100%排除することができる、
と言われています。
ですから、
初体験前の、10代前半が対象年齢です。
20代の女性も、接種が勧められる年代です。
諸外国では、11〜12才を公費優先接種の対象としているところが多いそうです。
日本では残念ながら、公費ではありません。
希望接種でだいたい3〜5万円かかります。(びっくり!

日本の中でも、
杉並区や名古屋市のように市町村単位で公費負担で小学生や中学生女子に接種しているところもあるようです。
(残念ながら大阪ではまだのようです。2010年2月現在)
ただし、他のタイプによって発生する癌は予防できませんから、現行の子宮がん検診も組み合わせて癌を予防していくことになります。
それから、すでに癌化した細胞に対する癌の治療効果はありません。
男性は今のところ、予防接種をしても全体に対する効果がないので接種対象にはなっていません。
考えてみたら、
現行の子宮がん検診というのは、
前癌状態で検出して、定期検診を頻繁に行って癌になったらすぐに切りましょう、というスタンス。
それって、悪くなるのを待たないと治療もできない、ということ。
癌にならずに治る人もいるためなんですが、なんだか、変な治療方針ですよね。
日本人は、国民皆保険の制度が充実しているために、
診断名がつけば保険がきくので病気の治療にはあまり抵抗感がありませんが、
予防のための医療には個人負担のお金が非常にかかることもあって、
予防医学に対する知識や意識がうすい傾向にあるそうです。
病気や特に癌が予防できればその方がいいにきまっていますよね。
思春期の女の子に、
『初めてセックスする前に、子宮がんの予防のために予防接種をうちましょう』
と、説明することは難しい、という批判もあるようですが、
すでに接種が開始されている地域では、
『将来赤ちゃんを産むときのために』
『自分を大切にするために』
という説明などで、結構すんなり受け入れられているようです。
参考資料(日本産婦人科学会・日本小児科学会・日本婦人科腫瘍学会)はコチラ
2009年02月24日
思春期の生理痛
久しぶりに「ためになる話(?)」を。。。
今日は、思春期の生理痛についてです。
その事で悩んで外来に来る患者さんは少ないのですが、
「知り合いのお子さん」の悩み相談をされることは非常に多い事柄です。
つまり、おそらく、みんな
「病院に行くほどのことはないけど」
「でもやっぱり気になる」
「将来赤ちゃんが産めなくなったら困るし。。。」
「でもでも!産婦人科に受診するのは嫌だわよね。。。」
てなところでしょうか。
産婦人科で医師がいつも念頭に置いているのは、
年齢
です。
同じ症状でも年齢によってはあまり心配いらないし、
年齢によってはとっても重くとらえなければならないこともあります。
例えば、20才の人の出血といえばそれは生理か妊娠に伴う出血かのことが多いのですが、
70才の人が出血したとしたら、悪性腫瘍か萎縮性膣炎を疑います。
(20才の悪性腫瘍もあり得ますし、60才でも絨毛性疾患など妊娠反応陽性になる病気もありますので、一概にはいえませんが。)
生理痛も同じように年齢によってどれくらいどの病気を心配するかが異なります。
40才の人の重い生理痛は子宮内膜症のような病気を疑いますが、
思春期の重い生理痛が子宮内膜症であることは稀です。
子宮内膜症というのは、
子宮内膜が卵巣や子宮の筋肉の間など本来の場所以外にできてしまう病気です。
そこで月経血が排出先がなくてたまってしまうことによって、
生理の時に強い痛みを生じる病気です。
さらに、長い年月と共に
お腹のなかで癒着を生じやすくなり、ひどい時には卵管がつまってしまって
妊娠しづらくなることもあります。
(程度や場所にもよりますが。)
しかし、思春期というのは、そういった慢性の病気が出てくる前ですので、
(生理が始まってまだ数年しかたっていませんよね。)
子宮内膜症による月経痛という可能性は低いです。
(可能性が低い、というだけで、全く発生しないわけではありません。)
ただ、子宮内膜症の初期の状態があったとしても、
特別な治療を早期にしなければ手遅れになってしまうということはあまりありません。
じゃあなぜ思春期に生理が重いのか。
一般に
「まだホルモンや子宮の状態が未熟だから」
と説明されることが多いです。
25才前後になるくらいには、自然におちついていくことが多いです。
(しかし、初潮開始から年月がたつにつれて子宮内膜症の発生率が高くなっていきます。
20才をすぎても年齢と共に逆にどんどん月経痛がひどくなるような人は子宮内膜症を疑ってもいいかもしれません。)
思春期の生理痛には、
・鎮痛剤で症状をおさえる
・ピルで排卵を抑えて痛みをおさえる
などで対処されることが多いです。
これらの治療の両方とも初期の子宮内膜症のときの治療法とほぼ同じですので、
子宮内膜症の診断を確定させるよりも、
まずは対症療法(症状をおさえる治療法)をするのが一般的です。
そんなぁ〜!?
ちゃんと診断してから治療するべきでしょ〜!?
と思うかもしれませんが、
子宮内膜症の診断といっても、結構簡単なようで難しいこともあるんです。
エコー、内診、MRI、などで診断することが一般的ですが、
それでははっきりわからないような初期の状態だったり、
生理痛ばかりひどくて子宮内膜症の所見に乏しいこともあるんです。
(これは思春期に限らず、です。)
(逆に、すっごい重そうな所見なのに、意外と生理痛は軽いという人もいます。)
でも、所見に乏しいといわれても現実に痛いもんは痛いですよね。
病院に行っていろいろ検査しても
『どこもなんともない』と言われ。。。
だのに、生理痛はすっごくつらい!という人は現実にいるんです。
そういう人には、いろいろと追加検査したり、
わざわざ腹腔鏡など手術して確定診断したりしていた時代もありますが、
(今でもその必要がある人もいますし、腹腔鏡はそのまま治療もできるメリットもあります)
考えてみたら、
診断を確定させることが大事なのではなくて、
症状を何とかすることと将来への影響を少なくすることが大事なのですよね?
(悪性腫瘍など、放置しておいたらいけないような病気さえなければ。。。)
先ほども書いたように、
思春期の単純な生理痛への対症療法と
子宮内膜症の初期に対する治療とは
ほぼ同じ治療法なので、
一般的には、基本的な検査をした後はあまり診断を確定させることに固執せず、
症状を第一に考えて治療することが多いです。
つまり、診断よりもどちらかというと症状に対して治療する、と考えればいいかもしれません。
もちろん、一般的な検査は必要です。
本当に悪性腫瘍などがないか、他の病気が隠されていないか、生まれつきの子宮や膣の形の異常がないかなど。
思春期で膣からの診察が嫌ならば省略することは十分可能です。
受診する医療機関によって方針は微妙に異なりますが、本人の希望を尊重するところがほとんどと思います。
何か他の異常がある可能性がある場合は内診がどうしても必要なことはありますが、その場合は仕方ないですよね。
また、一般に、将来妊娠すると、生理痛は治る人が多いです。
ホルモンバランスが安定するのもありますが、その間(妊娠中や授乳中の約1年〜2年の間)月経は止まるので、よしんば子宮内膜症があったとしてもその間に軽快しますから。
ですから、思春期に生理痛がひどかったけど、20才前後でだんだんましになり、そのうち妊娠出産を数回するとその後知らないうちによくなった、という経過をたどる人が多いです。
でも、そのうち中年になると、また子宮内膜症の症状がでてくることもありますが。。。
以上、一般論をなるべくわかりやすく書いたつもりです。
子宮内膜症という病気はとてもやっかいで難しい病気ですので、説明し始めるともっと長くなります。
ですから、ここではあまり言及せず、あくまで思春期の生理痛、という点にスポットをあてて書きました。
すっごく生理痛がひどい人の気持ちは、なかなか他の人にはわかってもらいにくいもの。。。
どうかこれを読んで今悩んでいる人やそのお母さんの気持ちが少しでもらくになりますように。
今日は、思春期の生理痛についてです。
その事で悩んで外来に来る患者さんは少ないのですが、
「知り合いのお子さん」の悩み相談をされることは非常に多い事柄です。
つまり、おそらく、みんな
「病院に行くほどのことはないけど」
「でもやっぱり気になる」
「将来赤ちゃんが産めなくなったら困るし。。。」
「でもでも!産婦人科に受診するのは嫌だわよね。。。」
てなところでしょうか。
産婦人科で医師がいつも念頭に置いているのは、
年齢
です。
同じ症状でも年齢によってはあまり心配いらないし、
年齢によってはとっても重くとらえなければならないこともあります。
例えば、20才の人の出血といえばそれは生理か妊娠に伴う出血かのことが多いのですが、
70才の人が出血したとしたら、悪性腫瘍か萎縮性膣炎を疑います。
(20才の悪性腫瘍もあり得ますし、60才でも絨毛性疾患など妊娠反応陽性になる病気もありますので、一概にはいえませんが。)
生理痛も同じように年齢によってどれくらいどの病気を心配するかが異なります。
40才の人の重い生理痛は子宮内膜症のような病気を疑いますが、
思春期の重い生理痛が子宮内膜症であることは稀です。
子宮内膜症というのは、
子宮内膜が卵巣や子宮の筋肉の間など本来の場所以外にできてしまう病気です。
そこで月経血が排出先がなくてたまってしまうことによって、
生理の時に強い痛みを生じる病気です。
さらに、長い年月と共に
お腹のなかで癒着を生じやすくなり、ひどい時には卵管がつまってしまって
妊娠しづらくなることもあります。
(程度や場所にもよりますが。)
しかし、思春期というのは、そういった慢性の病気が出てくる前ですので、
(生理が始まってまだ数年しかたっていませんよね。)
子宮内膜症による月経痛という可能性は低いです。
(可能性が低い、というだけで、全く発生しないわけではありません。)
ただ、子宮内膜症の初期の状態があったとしても、
特別な治療を早期にしなければ手遅れになってしまうということはあまりありません。
じゃあなぜ思春期に生理が重いのか。
一般に
「まだホルモンや子宮の状態が未熟だから」
と説明されることが多いです。
25才前後になるくらいには、自然におちついていくことが多いです。
(しかし、初潮開始から年月がたつにつれて子宮内膜症の発生率が高くなっていきます。
20才をすぎても年齢と共に逆にどんどん月経痛がひどくなるような人は子宮内膜症を疑ってもいいかもしれません。)
思春期の生理痛には、
・鎮痛剤で症状をおさえる
・ピルで排卵を抑えて痛みをおさえる
などで対処されることが多いです。
これらの治療の両方とも初期の子宮内膜症のときの治療法とほぼ同じですので、
子宮内膜症の診断を確定させるよりも、
まずは対症療法(症状をおさえる治療法)をするのが一般的です。
そんなぁ〜!?
ちゃんと診断してから治療するべきでしょ〜!?
と思うかもしれませんが、
子宮内膜症の診断といっても、結構簡単なようで難しいこともあるんです。
エコー、内診、MRI、などで診断することが一般的ですが、
それでははっきりわからないような初期の状態だったり、
生理痛ばかりひどくて子宮内膜症の所見に乏しいこともあるんです。
(これは思春期に限らず、です。)
(逆に、すっごい重そうな所見なのに、意外と生理痛は軽いという人もいます。)
でも、所見に乏しいといわれても現実に痛いもんは痛いですよね。
病院に行っていろいろ検査しても
『どこもなんともない』と言われ。。。
だのに、生理痛はすっごくつらい!という人は現実にいるんです。
そういう人には、いろいろと追加検査したり、
わざわざ腹腔鏡など手術して確定診断したりしていた時代もありますが、
(今でもその必要がある人もいますし、腹腔鏡はそのまま治療もできるメリットもあります)
考えてみたら、
診断を確定させることが大事なのではなくて、
症状を何とかすることと将来への影響を少なくすることが大事なのですよね?
(悪性腫瘍など、放置しておいたらいけないような病気さえなければ。。。)
先ほども書いたように、
思春期の単純な生理痛への対症療法と
子宮内膜症の初期に対する治療とは
ほぼ同じ治療法なので、
一般的には、基本的な検査をした後はあまり診断を確定させることに固執せず、
症状を第一に考えて治療することが多いです。
つまり、診断よりもどちらかというと症状に対して治療する、と考えればいいかもしれません。
もちろん、一般的な検査は必要です。
本当に悪性腫瘍などがないか、他の病気が隠されていないか、生まれつきの子宮や膣の形の異常がないかなど。
思春期で膣からの診察が嫌ならば省略することは十分可能です。
受診する医療機関によって方針は微妙に異なりますが、本人の希望を尊重するところがほとんどと思います。
何か他の異常がある可能性がある場合は内診がどうしても必要なことはありますが、その場合は仕方ないですよね。
また、一般に、将来妊娠すると、生理痛は治る人が多いです。
ホルモンバランスが安定するのもありますが、その間(妊娠中や授乳中の約1年〜2年の間)月経は止まるので、よしんば子宮内膜症があったとしてもその間に軽快しますから。
ですから、思春期に生理痛がひどかったけど、20才前後でだんだんましになり、そのうち妊娠出産を数回するとその後知らないうちによくなった、という経過をたどる人が多いです。
でも、そのうち中年になると、また子宮内膜症の症状がでてくることもありますが。。。
以上、一般論をなるべくわかりやすく書いたつもりです。
子宮内膜症という病気はとてもやっかいで難しい病気ですので、説明し始めるともっと長くなります。
ですから、ここではあまり言及せず、あくまで思春期の生理痛、という点にスポットをあてて書きました。
すっごく生理痛がひどい人の気持ちは、なかなか他の人にはわかってもらいにくいもの。。。
どうかこれを読んで今悩んでいる人やそのお母さんの気持ちが少しでもらくになりますように。
2008年12月03日
大阪のHIV陽性率
先日12月1日の世界エイズ予防デー。
イベントや啓蒙のための広報がいろいろでていましたが。。。
それにちなんで、医師会からもお知らせがきていました。
そこで、びっくり
したことが。
大阪府ではHIV感染者が東京都についで全国2位であるということもさることながら、
(それは、ま、人口からすると予想できる範囲でしたが。)
最もびっくりしたのが、
献血者のHIV感染率が、
全国平均や東京都では献血10万件あたりHIV陽性率1.5〜3.0に対して、
大阪府では9.4と断然多い!ということでした。
つまり、自分がHIVと知らずにすごして人がいぜん多く存在しているということ。。。
ということは、知らないうちに誰かにうつしている人がまだたくさんいるということ。。。
そもそも、世界のHIV感染者は1990年代をピークに減少し、HIV感染拡大のスピードは緩みつつあるのですが、
先進国の中で日本だけが、新規HIV感染者数が増加の一途をたどっているんです。
HIVは血液や体液を介して感染するため普通の生活ではうつりません。
主に血液を介しての感染ですし、他の血液でうつる病気に比較すると、比較的うつる確率は低いです。
ですから必要以上に怖がることはないのですが。。。
こわいのが、感染してもしばらくは(5年〜10年)全く無症状であること。
ということは感染したことに自分で気がつかない、というのが最も恐ろしいことなんです。
ちょっと考えてみましょう。
全然他人事ではないですよ。
パートナーと自分と。
両方が10年の間、他の誰とも関係がなかったと確実にいいきれますか?
結婚していても安心していてはいけません。
結婚前に元カノや元カレはいませんでしたか。
結婚後も旦那様がずっと品行方正にしていたかどうかはわかりませんよぉ。。。
なにしろ、普通の人がHIVに感染している可能性があるのが日本の現状なのですから。
そういったもろもろの、みんなに知ってもらいたい情報があるホームページが
大阪ヨボー
です。
正しい知識を持って、
不必要におそれずに、
みんなの力で感染の蔓延を防ぐことができたらいいですね!
大阪に住んでいることを誇れるように、
そんな面でもみんなが住みいい街にしたいです
イベントや啓蒙のための広報がいろいろでていましたが。。。
それにちなんで、医師会からもお知らせがきていました。
そこで、びっくり

大阪府ではHIV感染者が東京都についで全国2位であるということもさることながら、
(それは、ま、人口からすると予想できる範囲でしたが。)
最もびっくりしたのが、
献血者のHIV感染率が、
全国平均や東京都では献血10万件あたりHIV陽性率1.5〜3.0に対して、
大阪府では9.4と断然多い!ということでした。
つまり、自分がHIVと知らずにすごして人がいぜん多く存在しているということ。。。
ということは、知らないうちに誰かにうつしている人がまだたくさんいるということ。。。
そもそも、世界のHIV感染者は1990年代をピークに減少し、HIV感染拡大のスピードは緩みつつあるのですが、
先進国の中で日本だけが、新規HIV感染者数が増加の一途をたどっているんです。
HIVは血液や体液を介して感染するため普通の生活ではうつりません。
主に血液を介しての感染ですし、他の血液でうつる病気に比較すると、比較的うつる確率は低いです。
ですから必要以上に怖がることはないのですが。。。
こわいのが、感染してもしばらくは(5年〜10年)全く無症状であること。
ということは感染したことに自分で気がつかない、というのが最も恐ろしいことなんです。
ちょっと考えてみましょう。
全然他人事ではないですよ。
パートナーと自分と。
両方が10年の間、他の誰とも関係がなかったと確実にいいきれますか?
結婚していても安心していてはいけません。
結婚前に元カノや元カレはいませんでしたか。
結婚後も旦那様がずっと品行方正にしていたかどうかはわかりませんよぉ。。。
なにしろ、普通の人がHIVに感染している可能性があるのが日本の現状なのですから。
そういったもろもろの、みんなに知ってもらいたい情報があるホームページが
大阪ヨボー
です。
正しい知識を持って、
不必要におそれずに、
みんなの力で感染の蔓延を防ぐことができたらいいですね!
大阪に住んでいることを誇れるように、
そんな面でもみんなが住みいい街にしたいです

2008年09月07日
産後の尿失禁
タイトルが過激かも
。。。と思いつつ。。。
産後体重がなかなかもとに戻らなくて始めたエクセサイズにはまってしまっています。
最近流行りのコアリズム。。。
だって子供たちが眠ってから自宅でできるし。
えっ?下の階の人に迷惑だって?
確かに。。。
でもなるべく静かにやっていますので許してください。
静かにやっていても効果はないのかもしれませんが。。。
さて。
私の体重の話はまた今度にして。。。
(話題にしたくないだけかも。。。
)
一生懸命エクセサイズしていると時々尿漏れを感じてしまいます。
よくも恥ずかしげもなくこんなこと書けるわ〜
と思われるかもしれませんが、職業病かもしれませんね。
意外にこの問題で悩んでいる女性は多いのです。
誰にも言っていないだけで。
産前産後はもちろんのこと、年配の女性にも多いです。
尿失禁には原因によっていろいろな種類があるのですが、くしゃみや咳など腹圧がかかる時にちょっと漏れてしまうもの(腹圧性尿失禁)や普通にしていて急に尿意をもよおして我慢できなくなって漏れてしまうもの(切迫性尿失禁)が主なものです。
それぞれ複数の原因や分類わけ、治療法などありますが、それはともかくとして、やはり尿失禁は不快なものです。
でも、それを誰にも言えず我慢している人は意外に多いです。
量が多い失禁をたびたび繰り返すようだと、外出もままならなくなり、著しく日常生活に支障をきたします。
なぜ女性に尿失禁が多いのかというと、尿道が男性に比べて短いからです。
妊娠末期に子宮が大きくなって重くなる事でその重さで骨盤を支える筋肉がのびてしまうことも原因の1つです。
骨盤をささえる筋肉は、膀胱にたまった尿が勝手にでていかないように蛇口を締める機能もありますから、それが緩むと当然尿が漏れやすくなるのです。
出産前後はもちろんのこと、出産前後に無理をして重いものを持ったりきちんと安静がとれなかった人は、産後も持続したりあるいはいったんなおっても年齢を重ねるごとに悪化することもあります。
じゃあ、どうすればいいかというと、もちろん薬や手術で筋肉を増強する方法もありますが、それぞれすっきり治ることは難しいです。
(もちろん改善はしますが。ですから高度の場合はそれらの方法を医師に相談する必要があります。)
高度ではないけど時々ちょっと漏れて「あら、嫌だわあ」という程度の方。
(私もそうです。年齢のせいか、産後のせいか。その両方かも。子供たちにいつも抱きつかれて腹圧がかかりやすい生活のせいかもしれません。)
骨盤底の筋肉を締める運動をしましょう。
えっ
そんなことできるの?
と思われるかもしれません。
できるんです。
今すぐ、コンピューターの前で座ったままやってみましょう。
尿の出る場所と、肛門と、その間の部分と。
一緒に締めるのでもかまいません。
意識を集中すれば、誰でもすぐに2〜3回はできます。
できれば10回。
2〜3回ならすぐにできると思いますが、5〜6回目からは疲れてきて動かなく感じるかもしれません。
練習すれば10回できるようになります。
できれば10回を1セットとして一日3回やりましょう。
尿漏れがすっきりはしないかもしれませんが、ずいぶん改善するはずです。
子宮脱や子宮下垂の予防にもなります。
ーーーーこんなこと書いて、あー恥ずかしかった。

産後体重がなかなかもとに戻らなくて始めたエクセサイズにはまってしまっています。
最近流行りのコアリズム。。。

だって子供たちが眠ってから自宅でできるし。
えっ?下の階の人に迷惑だって?

確かに。。。
でもなるべく静かにやっていますので許してください。
静かにやっていても効果はないのかもしれませんが。。。
さて。
私の体重の話はまた今度にして。。。
(話題にしたくないだけかも。。。

一生懸命エクセサイズしていると時々尿漏れを感じてしまいます。
よくも恥ずかしげもなくこんなこと書けるわ〜

と思われるかもしれませんが、職業病かもしれませんね。
意外にこの問題で悩んでいる女性は多いのです。
誰にも言っていないだけで。
産前産後はもちろんのこと、年配の女性にも多いです。
尿失禁には原因によっていろいろな種類があるのですが、くしゃみや咳など腹圧がかかる時にちょっと漏れてしまうもの(腹圧性尿失禁)や普通にしていて急に尿意をもよおして我慢できなくなって漏れてしまうもの(切迫性尿失禁)が主なものです。
それぞれ複数の原因や分類わけ、治療法などありますが、それはともかくとして、やはり尿失禁は不快なものです。
でも、それを誰にも言えず我慢している人は意外に多いです。
量が多い失禁をたびたび繰り返すようだと、外出もままならなくなり、著しく日常生活に支障をきたします。
なぜ女性に尿失禁が多いのかというと、尿道が男性に比べて短いからです。
妊娠末期に子宮が大きくなって重くなる事でその重さで骨盤を支える筋肉がのびてしまうことも原因の1つです。
骨盤をささえる筋肉は、膀胱にたまった尿が勝手にでていかないように蛇口を締める機能もありますから、それが緩むと当然尿が漏れやすくなるのです。
出産前後はもちろんのこと、出産前後に無理をして重いものを持ったりきちんと安静がとれなかった人は、産後も持続したりあるいはいったんなおっても年齢を重ねるごとに悪化することもあります。
じゃあ、どうすればいいかというと、もちろん薬や手術で筋肉を増強する方法もありますが、それぞれすっきり治ることは難しいです。
(もちろん改善はしますが。ですから高度の場合はそれらの方法を医師に相談する必要があります。)
高度ではないけど時々ちょっと漏れて「あら、嫌だわあ」という程度の方。
(私もそうです。年齢のせいか、産後のせいか。その両方かも。子供たちにいつも抱きつかれて腹圧がかかりやすい生活のせいかもしれません。)
骨盤底の筋肉を締める運動をしましょう。
えっ

と思われるかもしれません。
できるんです。
今すぐ、コンピューターの前で座ったままやってみましょう。
尿の出る場所と、肛門と、その間の部分と。
一緒に締めるのでもかまいません。
意識を集中すれば、誰でもすぐに2〜3回はできます。
できれば10回。
2〜3回ならすぐにできると思いますが、5〜6回目からは疲れてきて動かなく感じるかもしれません。
練習すれば10回できるようになります。
できれば10回を1セットとして一日3回やりましょう。
尿漏れがすっきりはしないかもしれませんが、ずいぶん改善するはずです。
子宮脱や子宮下垂の予防にもなります。
ーーーーこんなこと書いて、あー恥ずかしかった。
2008年08月14日
子だくさんは寿命が短い?
毎日暑いですねー。
暑くて何もする気がしなくてうだうだしています。
夏休み、どっか行きたーい!
と思っていても、子供たちを連れてどこかにでかけるって、ものすごく労力がいりますよね。
出産そのものもしんどかったけど、子供を育てるのって、本当に体力と気力がいります。
それでも遊びに行きたい気持ちが勝るし子供の喜ぶ顔がみたいので、ついつい無謀とわかっていても子供たちの求めに応じて自分も楽しめる場所を探して出かけてしまいます。
そして、疲れきって帰ってきてからぐったり、といった毎日です。
(それでも全然痩せないのはなぜ!?)
そこで思い出したのが、10年ほど前に有名な科学雑誌にでていた研究結果でした。
イギリスで100年ほどにわたって戸籍(のようなもの)から寿命と子供の数を分析したものです。
その結果は、
子供の数が多いほど寿命が短い
というものでした。
(短いといっても、少し差がある程度ですけどね。)
女性の場合はなんとなく、産前産後にえらく老けた気がしますし、特に昔の話だと出産で亡くなる人もいたでしょうからよくわかります。
でも、この結果のびっくりしたところが、
男性も子供の数が多い方が寿命が短い
ということでした。
その論文が出た頃は私はまだ独身で子供もいなかったから、
ふーん?
程度でしたが、
今、あらためて思い起こすと、
男性も、女性も、子育てで疲労困憊、精力を子供に吸い取られていることが実感できます。
ふう。
でも人間も生物の一種なのですから、種の保存の理論からすれば、出産と子育てが終われば次の世代にすべてを託して消えて行く生命なのでしょう。
そこに労力を費やすのは当たり前のことなのでしょうね。。。
ちなみに、その論文によれば、40代で出産した女性は明らかに寿命が長いらしいです。
つまり、その年齢でも妊娠出産できるほど若々しいから(!?)なのだそうです。
そんないい情報があれば高齢出産でもがんばろうかなあ、という気になりませんか?
なーんて。。。暑いからまわらない頭でうだうだ考えながら自分に鞭打って子供の相手をしていまーす!
暑くて何もする気がしなくてうだうだしています。
夏休み、どっか行きたーい!
と思っていても、子供たちを連れてどこかにでかけるって、ものすごく労力がいりますよね。
出産そのものもしんどかったけど、子供を育てるのって、本当に体力と気力がいります。
それでも遊びに行きたい気持ちが勝るし子供の喜ぶ顔がみたいので、ついつい無謀とわかっていても子供たちの求めに応じて自分も楽しめる場所を探して出かけてしまいます。
そして、疲れきって帰ってきてからぐったり、といった毎日です。
(それでも全然痩せないのはなぜ!?)
そこで思い出したのが、10年ほど前に有名な科学雑誌にでていた研究結果でした。
イギリスで100年ほどにわたって戸籍(のようなもの)から寿命と子供の数を分析したものです。
その結果は、
子供の数が多いほど寿命が短い
というものでした。
(短いといっても、少し差がある程度ですけどね。)
女性の場合はなんとなく、産前産後にえらく老けた気がしますし、特に昔の話だと出産で亡くなる人もいたでしょうからよくわかります。
でも、この結果のびっくりしたところが、
男性も子供の数が多い方が寿命が短い
ということでした。
その論文が出た頃は私はまだ独身で子供もいなかったから、
ふーん?

程度でしたが、
今、あらためて思い起こすと、
男性も、女性も、子育てで疲労困憊、精力を子供に吸い取られていることが実感できます。
ふう。
でも人間も生物の一種なのですから、種の保存の理論からすれば、出産と子育てが終われば次の世代にすべてを託して消えて行く生命なのでしょう。
そこに労力を費やすのは当たり前のことなのでしょうね。。。
ちなみに、その論文によれば、40代で出産した女性は明らかに寿命が長いらしいです。
つまり、その年齢でも妊娠出産できるほど若々しいから(!?)なのだそうです。

そんないい情報があれば高齢出産でもがんばろうかなあ、という気になりませんか?
なーんて。。。暑いからまわらない頭でうだうだ考えながら自分に鞭打って子供の相手をしていまーす!