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2011年04月07日

『がんばれ』という言葉


本当に大きな災害でした。
関西に住む私たちも多かれ少なかれ影響を受け、精神的な打撃や無力感にさいなまれています。

何か自分にもできることはないか、何かできるならしたい、と思った人は多いと思います。
私もその一人ですが、医師であってもボランティアに応募するにはいろいろなきまりがあって、子育て中の働き方をしている今の私には応募の資格そのものがありません。

そんなもやもやした気持ちの中で、あるブログで
「被災者の気持ちは被災者にしかわからない」
という言葉を読みました。
そうなのか。。。と思いました。
何かしたいと思うこと自体が僭越なのかもしれない。。。

だけど、この言葉、医療の現場ではよく聞かれる言葉なのです。
「不妊症の気持ちは経験した者でないとわからない」
「癌になった者の気持ちはなった人でないとわからない」
「流産は経験した者でないとその辛さはわからない」

私自身が、初めて流産を経験したときに思いました。
それまでもたくさんの、それこそ本当にたくさんの流産の患者さんに診断をし、手術をしてきました。もちろんそれなりに気をつかい、気持ちをおもんばかって対応してきたつもりでした。
しかし、経験して初めて知ったその本当の辛さ、というものが確かにありました。

現在被災している方々の気持ちは、とうていはかりしれないと思います。
どんなに助けになりたいと思っても、何かできることがしたいと思っても、気持ちを全く傷つけずに接することはできないのじゃないかとと思うくらいです。私は誰も家族を失っていないし家も仕事も思い出も何も傷ついていないのです。それなのに、うかつに接すればかえって傷つけることになってしまうでしょう。

では何もしないことがよいのか、といったらそうではないはずです。

何か手助けがしたい気持ちを伝えること、気持ちに寄り添うこと、
それは、病気や妊娠に伴う悲しみの中にある人に接する時と同じと思います。

寄り添うこと、話をきくこと。。。。
「手助けしたいと思っているよ」と伝える事。。。。

もう一つ。
悲しみの中にある人には、
「がんばって。」とは言ってはいけません。
もういっぱいいっぱいにがんばっている、ようやく耐えている人に
「がんばれ」と言うことは、
非常に酷な事です。
『もうこれ以上がんばれない。。。』
という状態にちがいないからです。

そんなことなどを思いながら、ひとりひとりができることをしていく、
そうして、日本全体が、一歩一歩元気になっていけばよいのになあ、
と切に願っています。




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