とまごま日記

大阪で最近流れている児童虐待防止のための政府公報のようなコマーシャル。
近年多発するいたましい事件を受けて少しでも抑制と早期発見のために作成されたものなのでしょう。
実は、私はあのコマーシャル大嫌いです。

コマーシャルの中で白い背景に白い服を着た少女が見えない手で突き飛ばされたり引きずられたり。。。とても正視に耐えません。
実際、とてもインパクトがあるのですが、その割には抑止力にならないような気がします。

あの政府広報は、「近所で虐待を疑ったら通報しましょう！」ということがいいたいのでしょうし、その意図は十分伝わります。
でも、その渦中にある、あるいは現在育児に悩んでいる母親にしてみたらどうでしょう。
子供が大声で泣いたら、『通報されるのでは』とつい思ってしまう母親は多いのではないでしょうか。
現に、ママ友達の間で、子供を叱る時には窓を閉めてから、なんて話も聞いたことがあります。
子供なんてちょっとしたことで泣くしわめくし、まったく泣かせずに育児することなんて不可能です。
全然泣かない子がいたらむしろその方が心配でしょう。
それなのに、ちょっとでも泣き声が聞こえたら通報しよう、なんて世論が主流になっては、育児中の母親はますます逃げ場がなくなってしまいます。
虐待しているわけでもないのに、泣き声が聞こえてはいけないと、ますます密室育児になってしまうおそれがあると思います。

事件をおこした母親の「子供から離れたかった」という言葉はいかにも無責任ですし、強い怒りを覚えます。
しかし、ちょっとの間一人になりたいという感情は、多かれ少なかれ多くの母親が持った事があるのではないでしょうか。

あの母親のしたことはとうてい許せることではありませんが、
今後の再発防止のために行政ができることは、巨額の費用を投じてキャンペーンをうつのではなく、
育児中の母親のサポートを充実させることではないかと思うのです。

というわけで、箕面市を中心に活動するみっけ！みのおでは、
育児中の母親をサポートする情報発信をしていまーす！

ちなみに、蛇足ながら付け加えると、
公的病院に勤めていた時の経験から語らせてもらえれば、
虐待を疑うのは、泣き声よりもむしろ、以下の点です。

・清潔が保たれていない（歯を磨いていない、服が汚れている、季節はずれの服装等）
・外から見えないような服の下になる部分の傷や古い傷跡（その混在）
・親との距離感、他人への人なつこさ、または無表情

母親の前で大声で泣き叫んでわがままを通そうとするのは、
むしろ子供が十分母親に甘えているという証拠です！

子供なんて泣くもの騒ぐもの。
もっとおおらかに見守っていける社会になって欲しいと思います。

（ご近所のみなさん、うちの子供たちがスーパーの床で寝転がって大泣きしている姿をよく見かけるかもしれませんが、虐待をしているわけではないので通報しないでくださいね〜）